ハサミの研ぎ直し

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裁ち鋏の研ぎ直し 

ハサミは非常にたくさんの種類があります。
裁ち鋏の他に、園芸用、生け花用、料理鋏、手芸用、工業用等です
ここでは、ある洋服のリフォーム店さんからご依頼のありました
裁ち鋏の研ぎ直しを例に、当社の研ぎ直しの特徴
及び、作業工程をご説明いたします。    

1.研ぎ直し前の裁ち鋏

研ぎ前の鋏この鋏は所々に錆があり、以前研ぎに出された所
で下記のような、不適切な研ぎがなされています

1.刃裏の研ぎが刃と平行に研がれている
2.刃裏の樋底を無視して、包丁のように研がれている
3.小刃も同様に包丁を研ぐ方法で研がれている

  裁ち鋏は包丁と同様な研ぎ直しをしては、
  かえって切れなくなります






不適切な研ぎ不適切な研ぎ

 @ 刃と平行の研ぎ
  鋏の裏は布しっかりとはさんで切断するため、研ぎ目(研ぐ方向)は
  刃と交差する方向に研がなければなりません。

 A 樋底をなくす研ぎ
  鋏の刃裏は中心が雨樋(屋根の雨を受け流する所)の様にくぼんでいます
  これを、鋏の刃裏における「樋底」と呼んでいます
  これは、鋏を閉じる時の手の力が一点に集まり、それが刃元から刃先にかけて
  スムースに移動させるための先人の工夫です。
  これを包丁と同じように平らな砥石で研ぐと、この鋏のように樋底をなくすような
  研ぎになってしまいします

 B 包丁のような研ぎ
  直接布に当たる部分を小刃と言います。
  この部分も刃裏と同様、研ぎ目は刃と交差する方向に付けます
  また包丁ほど鋭角には付けません
  厳密には切る素材によって、角度は変えた方がよいのですが
  一般的は45度程度が適切です。
  また、包丁で言う蛤(はまぐり)研ぎのように丸くは研ぎません

2.研ぎ直しの工程

分解 @ 分解
  まずは分解します
  鋏はネジを外し分解した上で、一本一本
  研ぎ直すのが基本です
  なかには、元々ネジではなくリベットの物や、
  ネジになっていても、さび付いたり
  叩き込んだりして外せない物もあります
  そのような物はやもうえず、そのまま研ぎ直します。






錆落とし、研磨 A 研磨
  主にさび落としをします
  刃裏以外に発生している錆を研き落とします
  「羽布」という布を硬く縫い合わせ円形にした物を
  研磨機に取り付け、研磨剤を塗布して磨きます
  これにより、焼きが戻らず硬度を落とすことなく
  研磨することができます。ただし
  研磨は金属の表面に浮き出た錆は落とせますが
  中に食い込んだ錆は、完全には除去できません


                                           

  樋底を作る 

 B 樋底を作る
  刃裏が包丁を研ぐように、平らな砥石で研がれ
  ているため、円筒形の砥石で樋底を削って作ります
  左の画像は、その途中の画像です
  真ん中が雨樋のように窪んでいきますが、刃の所は
  残っているのがよく分かります
  樋底は荒研ぎと仕上げ研ぎの2工程を掛けます





  触点を作る                                  
C 触点を作る

  布のように張りがなく、繊維を織った材質を
  切断するには、一点に力が集中する構造が
  必要。そのために、組み合わせのネジと柄の
  境目の所を削り落とします。
  本来購入時にはそのようになっているのですが、
  研ぎ直しの回を重ねる内に、その部分がなくなっ
  てきます。そこで、あらためて作り直します。
  これにより、一点に力が集中し、少ない力で切る
  ことができるようになります。

    

 

小刃の角度 D 小刃引き
  直接切る対象物に当たるところに刃付けをします
  刃と平行ではなく、ほぼ直角に付けます。
  また、対象物の材質や厚みにより角度及び目の
  粗さを変えます
  裁ち鋏の角度は45〜50度 粗さは200番程度
  が標準です。
  皮革などはもっと鋭利でもっと細かい刃を付けます
  お客さまに指定いただくこともできます




 

組み立て完成  E 組み立て、調整
  組み立てをし、実際に布を切って調整します
  研ぎ込んで刃先のかみ合わせが不十分になった
  物や尖ってしまった物は修正します。
  良く切る材質があれば、その見本を送ってもらえれば
  それによって試し切りをして、調整します。

 

 

 


仕切り線

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